はじめに
御朱印をShopifyで販売している私が、お客様管理を効率化するためにZoho CRMとの自動連携に挑戦中です。プログラミングの専門知識はありませんが、試行錯誤しながら少しずつ進めています。
今回は「最初の設計で大きな勘違いをしていた」お話です。同じような立場の方に参考になれば嬉しいです。
目指しているシステム
Shopifyで御朱印購入 → 自動でZoho CRMに顧客情報登録
手作業での顧客管理から卒業して、購入履歴も含めて自動で整理されるシステムを作りたいと思っています。
今回の大きな勘違い:「商談」って何?
最初に考えていた構成
Zoho CRMを触り始めた時、こんな風に考えていました:
- 連絡先:お客様の名前やメールアドレス
- 商談:御朱印の購入履歴
「商談=取引」だと思っていたんです。御朱印を買ってもらうのも取引だから、ここに記録すればいいだろうと。
実際の「商談」の意味
ところが調べてみると、Zoho CRMの「商談」は全然違うものでした。
商談とは:
- 企業向けの営業活動を管理するもの
- 「提案 → 交渉 → 契約」という段階的なプロセスを追跡
- 時間をかけて進める大きな取引を想定
御朱印販売との違い:
- 御朱印は「欲しい→購入→完了」で即座に終わる
- 交渉や段階的なプロセスは存在しない
- シンプルに「いつ・何を・いくつ買った」を記録したいだけ
要するに、商談機能は私たちのような小売業には大げさすぎたんです。
解決策:「カスタムタブ」という存在
カスタムタブとは
Zoho CRMには、自分の業務に合わせて新しい管理画面を作れる機能があります。これが「カスタムタブ」です。
わかりやすく言うと:
- 既存の機能では合わない時に使う
- 自分で項目名や管理内容を決められる
- 他の情報との関連付けも可能
新しい設計
連絡先タブ(既存機能を活用):
田中太郎さん
├ メールアドレス:tanaka@example.com
├ 住所:東京都...
├ 初回購入日:2025年6月5日
├ 購入回数:3回
└ 累計金額:8,850円
特別御朱印購入者タブ(カスタムタブで新規作成):
購入履歴一覧:
┌────────────┬──────────┬─────────────┬──────┬──────┐
│ 購入日 │ お客様名 │ 商品名 │ 個数 │ 金額 │
├────────────┼──────────┼─────────────┼──────┼──────┤
│ 2025-06-05 │ 田中太郎 │ 9月限定御朱印 │ 1 │ 2,350│
│ 2025-06-07 │ 田中太郎 │10月限定御朱印 │ 2 │ 4,700│
│ 2025-06-10 │ 田中太郎 │11月限定御朱印 │ 1 │ 1,800│
└────────────┴──────────┴─────────────┴──────┴──────┘
この設計なら:
- お客様から購入履歴を見る
- 商品から購入者を見る
- 月別の売上集計をする
すべてが簡単にできそうです。
設計で学んだ3つのポイント
1. 既存機能の「本来の用途」を理解する
Zoho CRMの各機能には、想定されている使い方があります:
- リード:まだお客様になっていない見込み客
- 連絡先:既存のお客様
- 商談:企業向けの複雑な営業プロセス
- 商品サービス:販売する商品の情報
「何となくここに入れればいいかな」ではなく、それぞれの機能が何のためにあるのかを最初に調べることが大切でした。
2. カスタムタブは「自分専用の管理画面」
既存の機能が合わない時は、無理に使わずカスタムタブを作る方が良いと分かりました。
カスタムタブの良いところ:
- 項目名を自分の業務に合わせて設定できる
- 必要な情報だけを管理できる
- 他の情報との関連付けも自由
3. 情報同士の「つながり」を設計する
重要なのは、バラバラの情報をどうつなげるかです:
お客様情報 ←→ 購入履歴 ←→ 商品情報
このつながりがあることで:
- 田中さんが過去に何を買ったか分かる
- 9月限定御朱印を誰が買ったか分かる
- 月別の売上や人気商品が分析できる
実際の作業で困ったこと
専門用語の壁
「API」「OAuth」「エンドポイント」など、調べるほど専門用語が出てきて混乱しました。
私なりの理解:
- API:他のシステムと情報をやり取りする仕組み
- OAuth:「この人は本当に権限がある人ですか?」を確認する方法
- エンドポイント:情報をやり取りする「窓口」のようなもの
設定項目の多さ
Zoho CRMは高機能な分、設定項目がとても多いです。最初は「どこを触っていいか分からない」状態でした。
対策:
- 必要最小限の機能から始める
- 分からない設定は後回しにする
- 一つずつ確認しながら進める
次にやること
- カスタムタブの実際の作成
- 「特別御朱印購入者」タブを作る
- 必要な項目を設定する
- 自動連携の仕組み作り
- ShopifyからZoho CRMへ情報を送る設定
- エラーが起きた時の対処方法を考える
- テスト運用
- 少量のデータで動作確認
- 問題があれば修正
まとめ:失敗から学んだこと
今回の一番の学びは、**「既存の機能に無理やり合わせるのではなく、自分の業務に合った使い方を見つける」**ことの大切さです。
非エンジニアならではの視点:
- 完璧を目指さず、まずは動くものを作る
- 専門用語は調べながら、自分なりに理解する
- 分からないことは後回しにして、できることから進める
同じように非エンジニアでシステム構築に挑戦している方の参考になれば嬉しいです。次回は実際にカスタムタブを作った経験をお伝えします。
プログラミング初心者が御朱印販売システムの自動化に挑戦する記録です。失敗や試行錯誤も含めて、リアルな体験をお伝えしています。
コメント